誘引剤と忌避剤とは?
何らかの形で動物を引き付ける魅力ある物質を総称して「誘引剤」といい、仕事を終えて帰宅途上のサラリーマンにとって、飲み屋の赤提灯は大きな”誘引剤”で「ちょっと一杯だけ・・・」と、のれんをくぐることになります。
冗談はさておき、誘引剤は広義に食物など味覚物質も含まれ、狭義には遠隔性刺激として作用する味覚物質を指し、「ある動物が、体外に分泌して同種の他の仲間に特異な反応や行動を引き起こす物質、つまりフェロモンは典型的な誘引剤」です。
一般にドブネズミは糖分を、クマネズミは木のみを好み、殺鼠剤に適当な誘引剤を混入すれば喫食性が高まり、殺鼠効果が高まります。
一方で、動物がとくにいやがり、きらって避ける物質を「忌避剤」といい、忌避剤はネズミや害虫を殺すことでなく、そこに寄り付かなくさせる薬剤を指します。忌避剤も当該動物にとっての異臭や悪臭物質を用いる臭覚忌避剤と、味覚物質による味覚忌避剤があります。
ネズミの忌避剤は多種ありますが最も有名なものにシクロヘキシイミドがあり、味覚忌避剤の代表です。これは抗生物質の一種で苦味をもっており、一回これを口にしたネズミは本剤を処理した場所には絶対寄り付かなくなります。実用的にはネズミが出入りする場所に0.005%の液を噴霧すればよいのです。