殺鼠剤を食べてもケロッとしているネズミ?!

    
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殺鼠剤を食べてもケロッとしているネズミ?!

殺鼠剤や殺虫剤の不完全な使用、あるいは長期にわたって同一の薬剤を連用していると、薬剤に対する免疫ができて抵抗力を身につけ、薬剤の効果が低下したり、まったく効き目がなくなってしまうことがよくあります。

例えば、アルコールに弱い人でも酒を飲み続けているうちに少しずつ強くなり、酔いが回ってくるのには相当の量を飲まなければならなくなり「酒に対する抵抗力が身につく」ことになります。

また、一度致死量に達しない殺鼠剤を食べて中毒して回復したネズミは、その薬剤に対して強くなり、普通の致死量ではもはや死ななくなってしまいます。

このように遺伝子よりも、その個体の体内生理機構の変化により抵抗力が身につくことを広義に”抵抗性”といいますが、このように個体が一代で抵抗性を獲得することを正式には「耐性」と呼びます。

同じ仲間のネズミたちでも耐性のある者ない者がいるのは当然で、殺鼠剤で弱い集団が淘汰され、耐性の強いものが残って子孫を増やしていく結果、当初の薬剤量に比較して数十倍以上の濃度の殺鼠剤を摂食してもケロッとして死亡しない個体群が残っていきます。

このように何代も代を重ねて得られる薬剤に対する抵抗力を抵抗性といい、薬剤の抵抗性とは、その昆虫や動物に対して致命的なはずであるべき薬量に耐える能力が、彼らの集団に発達すること。と定義されています。ネズミや害虫の駆除は”イタチごっこ”と言われるほどやはり難しいですね。